1999 Fiscal Year Annual Research Report
虚血再灌流障害に対するPARS阻害薬の肺血管反応改善効果(in vivoの検討)
Project/Area Number |
11770831
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
永田 博文 秋田大学, 医学部, 助手 (20282171)
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Keywords | 虚血再灌流 / PARS阻害薬 / 末梢肺動脈血管径 |
Research Abstract |
今年度はラットの虚血再灌流モデルを作り、invivoでラットの肺内血管を観察する方法の確立に重点を置いた。 ラット(体重350〜450g)にネンブタール60mg/kg腹腔内投与し、右内頚静脈にカニュレーション後ネンブタール10mg/kg/hを持続静注し麻酔を維持した。気管切開し酸素1l/min、笑気2l/min、最大気道内圧10cmH_2、70回/minにて人エ呼吸を施行した。動脈圧測定のため総頚動脈にカニュレーションを行った。次に開腹し、腹腔動脈を1時間クランプ後、解除することにより虚血再灌流モデルとした。 その後胸骨を縦切開、右の全肋骨を2〜3cm程度正中より切除し右肺を露出した。右肺に水平に切開を加え、その部にプレパラートを上からあて実体顕微鏡(オリンパス製SZX12)にて肺動脈を同定し末梢肺動脈血管径を測定した。他の測定項目として平均動脈圧、動脈血ガスも1時間毎に測定した。 しかし、上記方法では開胸時(胸骨縦切開、肋骨切除時ともに)に内胸動脈、肋間動脈より出血し、循環維持が困難なことが多いので、現在電気メスの使用や主要血管を糸で結紮するなどして出血量を減少させる方法を検討中である。経時的に動脈血ガスを測定していくと徐々に代謝性アシドーシスが進行していくことも問題であり、重炭酸ナトリウムの投与で対応しているが、やはり循環の維持が根本的に必要であると考えている。また、末梢肺動脈血管径の測定方法も検討中である。現在プレパラートや対物レンズに目盛りをつけて測定する方法を確認中であるが、場合によってはビデオ録画して測定する必要も検討中である。来年度は以上の問題点を解決して虚血再灌流障害に対するPARS阻害薬の抑制効果(末梢肺動脈径の収縮抑制効果)について調べる予定である。
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