1999 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイドペプチド発現ベクターによる痛みの遺伝子治療
Project/Area Number |
11770835
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
高橋 健一郎 群馬大学, 医学部, 助手 (40302468)
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Keywords | アデノウイルスベクター / 遺伝子治療 / オピオイドペプチド / がん性疼痛 |
Research Abstract |
オピオイドペプチド発現ユニットを組み込んだアデノウイルスベクターを作成した。組み込んだオピオイドペプチドはMet-エンケファリン、β-エンドルフィン、スパイノルフィン、エンドモルフィンである。このうちMet-エンケファリンとスパイノルフィン発現ベクターを4次ウイルスまで精製・濃縮した。他のオピオイドペプチド発現ベクターについても現在、精製中である。in vivoでの実験に先立ち,至適な感染条件や発現の経時的変化を検討するため,in vitroで遺伝子導入を行った。宿主細胞には新生児ラットより分離・培養した脳軟膜細胞を用いた。まず、LacZ遺伝子を発現する組換えアデノウイルスを感染させ,X-Galによる染色を行った。MOI(multiplicity of infection)0、1、10、100で感染させ、1、4、7、10日後に発現をみたところ、MOI依存性に、観察期間を通してX-Gal陽性細胞を確認することができた。細胞毒性を示すような所見は特に見られなかった。発現効率を上げるため、より高いMOIで感染させた場合にどうなるかは今後の検討課題である。次にオピオイドペプチド発現ベクターを同じく脳軟膜細胞に導入した。目的とするオピオイドペプチドの産生は,mRNAレベル(ノーザンブロット法)では確認できた。オピオイドペプチド発現ベクター導入によっても、細胞に障害は現れていない。現在行っているのが、培養液中のオピオイドペプチドの免疫活性を,経時的にラジオイムノアッセイで測定することである。ラジオイムノアッセイは市販のキットを用いる予定である。
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