1999 Fiscal Year Annual Research Report
虚血後の中枢神経細胞のアポトーシスに対するMPPの遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
11770859
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
辻田 俊也 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (40244066)
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Keywords | 神経細胞 / 低酸素 / アポトーシス / 低体温 / Fas |
Research Abstract |
中枢神経細胞は部位により性質が異なるので、神経細胞の性質を持ちアポトーシス誘導が容易な、ラット褐色細胞腫、PC-12 cell lineを用いた。70%confluentの培養条件で、血清を極低容量にする前処置後、37℃(正常体温)、33℃(低体温)の2条件で、この細胞を1%酸素(低酸素)にそれぞれ0、12、24、36、48時間暴露させた。 1)Hoechst33342とPropidium iodideで2重染色し、蛍光顕微鏡を用いて、それぞれ少なくとも1000個以上の細胞で、アポトーシス細胞、ネクローシス細胞、正常細胞の出現率をカウントした。 2)細胞をバッファーで融解させ、細胞内の蛋白を抽出した。電気泳動後、ウエスタンブロッティングをFas抗体を用いて行った。Fas蛋白の発現量をNIH image densitometry法で観察、測定した。 <結果> 1)いずれの温度でも経時的にアポトーシス細胞の出現率が増加し、48時間後に最大となったが、33℃ではその割合は37℃に比べ低かった。 2)いずれの温度でも経時的にFas蛋白の発現量は増加し、48時間後に最大となったが、33℃ではその割合は37℃に比べ低かった。 <考察> 低体温は、低酸素によるアポトーシス誘導を減弱させる。これにはFas蛋白誘導減少が関与している。なぜ低体温でFas蛋白誘導減少がおこるかは今後解明しなければならない。 これらの結果を今年のアメリカ麻酔学会に応募の予定である。
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