1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770861
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉武 淳 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (80291540)
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Keywords | 蘇生 / 体外循環 / 心停止 |
Research Abstract |
<作業仮説> 15分間心停止モデル犬において、体外循環で心停止中の循環を充分維持すれば酸素加せずとも蘇生予後は改善する。 <方法> 雑種成犬17匹を対象とした。チアミラールで麻酔導入、気管内挿管後、ハロセン・亜酸化窒素で麻酔維持した。対象をA(コントロール)群8例とB(体外循環)群9例に分けた。B群は右頚動静脈よりV-Aバイパス脱送血カテーテルを挿入した。体外循環回路には人工肺を組み込まなかった。心室細動(Vf)誘発前に麻酔を中止し吸入酸素濃度を100%にした。交流電流でVfを誘発し人工換気を中止した。A群では15分間放置した。B群ではVf直後より手動式体外循環を開始し15分後に中止した。その後は、両群とも通常の心肺蘇生術を実施した。48時間経過観察し、剖検により主要臓器を肉眼的に調べた。 <結果> 肝破裂のためプロトコールから2例除外した。A群(n=7)の1例、B群(n=8)の2例は、自己心拍が再開しなかった。A群の1例は、48時間生存した。B群では、Vf中に血圧を維持できたが高度の低酸素血漿(平均PaO_2:18mmHg)を認めた。両群の生命予後に差はなかった。心停止中の血圧維持のみでは蘇生予後の改善がみられなかった原因として、高度の低酸素血症による心臓への影響が大きかったことが考えられる。 <今までの成果の要約> 15分間心停止モデル犬において、人工肺なし救急蘇生用手動式体外循環で心停止中の血圧を維持しても蘇生の予後は改善しない。 <今後の計画> 15分間心停止モデル犬において、人工肺なし救急蘇生用手動式体外循環で蘇生術を補助し生命予後に改善がみられるか検討する予定である。
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