1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770867
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
東條 英明 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70295658)
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Keywords | 毛細管血流 / 超音波血流計 |
Research Abstract |
現在、大動脈血流波形と毛細血管血流波形との周波数領域における伝達関数を同定し、動脈が毛細管血流の自己安定性に及ぼす影響を定量化することを目的として、以下のようなプロトコールで実験中である。(1)予備手術:正常血圧ラット(WKY)を麻酔後、人工呼吸下に肋間開胸し、大動脈基部に超音波血流計プローベを装着。閉胸し、プローベのケーブルを胸部の皮下に埋没させ皮膚縫合。麻酔覚醒させた後、1週間の回復期間を与える。(2)本実験(a)手術:予備手術後、1週間経過した正常血圧ラット(WKY)を再び麻酔をし、両側の大腿動脈と片側の大腿静脈にカテーテル挿入。片側の動脈カテーテルは血圧測定用。他の大腿動脈カテーテルは輸血、脱血用。胸部の皮膚を切開し、前もって装着しておいた超音波血流計のケーブルを取り出す。頚部の正中を切開し、片側の総頚動脈を剥離して、超音波血流計を装着(2つ目)。頭蓋骨に穴をあけ脳表にレーザードプラー血流計を装着。大動脈血流、総頚動脈、脳毛細血管血流の3つを同時測定。(b)実験:手術後、血圧や血流が安定するのを待ち、各血流波形を5分間記録。次に乱数にしたがい血圧、血流量を不規則に変動させ、血流量波形が0.1-1Hzの周波数においても充分な振幅を持つようにする。血圧は大腿動脈のカテーテルから輸血、脱血を繰り返すことにより変動させる。このようにして得られた各血流量の変化を再び5分間記録する。(3)実験の途中経過:実験手技の技術的な問題もあり、予備実験から本実験までの1週間の間に死亡するラットが多かった点、および、埋没しておいたプローベ位置のズレなどにより、本実験中に測定不可能な場合があった点などから、当初の実験計画からは、大幅に遅れている。したがって現時点では、予想されるデータは、まだ得られていない。来年度に向けて、改善方法を検討中である。
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