1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770883
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三上 和男 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (90302554)
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Keywords | シスチン結石 / シスチン尿症 / rBAT / SLC3A1 / SSCP / アミノ酸トランスポーター |
Research Abstract |
当教室および関連施設にて尿路結石を伴うシスチン尿症患者36名の協力を得て採血を施行し、ゲノムDNAを採取した。その上で、既に発表されているプライマーセットを用いて、rBAT遺伝子(タイプ1シスチン尿症関連遺伝子)についてRNA-SSCP及びDNA-SSCPを施行した。その結果、5種の新しい突然変異(L346P,I445T, C673R,1820delT,1898insTA)を発見した。また、既に報告されている3種の遺伝的多型(1332+7T/C,G38G,M618I)を確認した。突然変異のうち3種はホモ接合体であったが、2種はへテロ接合体であった。次に腎cDNAライブラリーより野生株rBAT遺伝子をクローニングし、へテロ接合体の2種を含めた3種の突然変異を導入した変異株を作製した。それを鋳型としてRNAを合成してアフリカツメガエル卵母細胞で発現させ、放射性同位元素で標識したシスチンの取込み量を測定した。患者においてホモ接合体として観察された変異株(I445T)ではシスチン取込みの低下がみられなかったが、ヘテロ接合体として観察された変異株(L346P,C673R)では、単独発現の場合シスチン取込みが大幅に低下しており、野生株との共発現の場合でもシスチン取込み量に低下がみられた。患者のrBATにみられたこれらの変異が患者におけるシスチン尿症の発症に関わっていると考えられた。
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