2000 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌療法中の進行期前立腺癌の経時的ホルモン不応性能獲得機序の解明
Project/Area Number |
11770891
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
浦上 慎司 島根医科大学, 医学部, 助手 (10304263)
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Keywords | 前立腺癌 / 内分泌療法 / 原発巣 / 病理学的効果判定 / stage / grade / 血清PSA値 |
Research Abstract |
前立腺癌と診断され内分泌療法を受けた50例に対し、前立腺癌取り扱い規約に準じて、経時的に原発巣の病理学的効果判定を行い、臨床経過との関連性(診断時のstage、grade、血清PSA値、PSA nadir、臨床的再燃)について評価した。stage別の組織学的効果ではgrade2か3の割合はstageB、C、Dで、それぞれ93%、42%、778%でありstageとの相関は認めなかった。grade別ではgrade3の割合は高、中、低分化型で、100%、59%、48%と分化度が高い程組織学的効果がみられた。治療前血清PSA値ではgrade3を示したのはPSAが10以下、10〜100、100以上において83%、64%、40%で、治療前PSAが低いほど治療効果が高かった。PSA nadirでは、PSA値が測定感度以下まで低下した症例はすべてgrade2か3で、nadirが10以上ではgrade3は認めず組織学的効果は不良であった。臨床的再燃は24%にみられたが、組織学的効果に一定の傾向は認めなかった。非再燃例はすべてのgradeにみられたが、grade3が68%と最も頻度が高かった。組織学的効果とclinical failureの関係は、grade0bとgrade3ではclinical failureが60%、10%で、組織学的効果度が大きいほど、再燃の頻度が低い傾向がみられた。 結論として、高分化型はいずれもgrade3で組織学的効果は高く、内分泌療法後の血清PSA値のnadirが10以上では組織学的効果が低く、非再燃例で組織学的効果度が高い傾向がみられた。 第88回日本泌尿器科学会総会(2000年)で発表した。
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