1999 Fiscal Year Annual Research Report
VHL遺伝子が関与する細胞骨格の同定,及び細胞骨格から見た癌化機構の検討
Project/Area Number |
11770894
|
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
鎌田 雅行 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90304683)
|
Keywords | VHL / actin / vinculin / 細胞接着 |
Research Abstract |
von Hippel-Lindau遺伝子(VHL)の機能を調べるために,ヒト癌細胞株を用いてVHL蛋白発現株を作成し,細胞骨格に関する変化を細胞形態の計測,細胞接着能,蛍光抗体法,western blotting,細胞運動能等によって比較検討した。pVHL発現株には,細胞形態変化が認められ,良くspreadingし,細胞面積が増加している傾向が見られた。この変化に伴い,細胞接着能の上昇が見られ,focal adhesionの形成も促進されていた。このことは,focal adhesionの構成成分であるvinculinの蛋白レベルでの発現を調べることによって,focal adhesionの形成の増加を証明した。細胞分画法によって,細胞膜に存在するvinculinをweestern blottingによって測定し,pVHL発現細胞は,pVHL非発現細胞よりも明らかに細胞膜分画に存在するvinculinの量が増加していた。細胞内に形成されるactin stress fiberについても,pVHL発現細胞は,有意にactin stress fiberが増加していた。我々は,細胞外基質(fibronectin,collagen type4)に対する細胞接着能,及び細胞運動についても現在検討中でありpVHLは,細胞形態,細胞接着,細胞骨格に明らかに影響し,癌抑制蛋白,組織構築に対して重要な働きを有していると予想される。
|