1999 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌撹乱物質の男子生殖器官のアンドロゲンレセプターにおける作用機序の解析と毒性評価システムの確立
Project/Area Number |
11770900
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
池田 伊知郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (90311901)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / アンドロゲン標的遺伝子 / GenisteinとDaizein / ルシファラーゼ活性 |
Research Abstract |
内分泌撹乱物質(いわゆる環境ホルモン)は、自然界に存在する物質やあるいは人工産物より排出される物質がなんらかの形で体内に吸収され、最終的に主にエストロゲン作用を持つ事によって人体のホルモン環境に影響を及ぼすものをいう。今回、我々は大豆に含まれる物質でエストロゲン作用を持つと言われるGenisteinとDaizeinについて、アンドロゲン標的遺伝子である前立腺特異抗原(PSA)への作用機序を検討した。 細胞はアンドロゲンレセプターを持つホルモン依存性前立腺癌細胞 LNCaP を用いた。 Daizein で刺激したところ細胞増殖は抑制されなかったが、Genistein 刺激するとLNCaP 細胞の増殖はアンドロゲン存在下で大きく抑制された。次にアンドロゲン結合エレメントを持つ6kbのPSApromterを上流に連結したルシフェラーゼリポーターを、LNCaP 細胞に遺伝子導入してアンドロゲン刺激し、同時に Daizein と Genistein を別々に加えてルシフェラーゼ活性を測定した。 その結果は、Daizein ではルシフェラーゼ活性に大きな変化を認めなかったが、Genistein; 50μM では活性の著明な低下を認めた。以上の結果より、大豆に含まれるGenisteinは男性ホルモン作用に影響を及ぼす事が推測され、今後はビスフェノールAなど工業産物から出される物質について同様の実験を試みる予定である。
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