1999 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸によるインターフェロンの腎細胞癌に対する抗腫瘍性の増強効果
Project/Area Number |
11770903
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
野中 昭一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70255537)
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Keywords | 腎細胞癌 / インターフェロン / レチノイン酸 |
Research Abstract |
平成11年度は研究計画書に記載したとおり、in vitroで以下の実験を行った。 1)IFN(インターフェロン)、RA(レチノイン酸)単独による抗腫瘍性の検討 IFN-α、IFN-γおよびRAにおいて、それぞれをACHN細胞、KU-2細胞に加え、各薬剤単独による抗腫瘍効果を細胞増殖曲線の変化およびMTT法により観察した。ACHNではIFN-γにおいて抗腫瘍効果を認めたがIFN-αおよびRAにおいてはそれを認めなかった。KU-2ではIFN-α、IFN-γおよびRAのいづれにおいても抗腫瘍効果を認めなかった。 2)RAおよびIFN併用による抗腫瘍性の変化 RAで各細胞株をpre-treatment後IFNを加え、IFN単独の場合との抗腫瘍性の違いを検討した。ACHNではIFN-αおよびIFN-γのいづれにおいても変化を認めなかった。KU-2ではIFN-α、において抗腫瘍効果の増強を認めたがIFN-γにおいては変化を認めなかった。 3)RAおよびIFNによるSTAT発現への影響 STAT(Signal Transducers and Activators of Transcription)1、STAT2抗体を用いたウェスタンブロット法により各細胞株のこれらのタンパクの発現量の違いを観察した。ACHNではSTAT1、STAT2ともにその発現を認めたが、KU-2ではSTAT1は弱発現、STAT2は発現していなかった。次いでRAおよびIFN添加下に各細胞株を培養し、ウェスタンブロット法を用いてSTAT1、STAT2の発現の変化を経時的に観察した。ACHNではRAおよびIFN添加下でSTAT1、STAT2ともにその発現量の変化はみられなかった。KU-2のRA添加下で、STAT1では発現量増加がみられたがSTAT2ではその発現量変化はみられなかった。KU-2のIFN添加下ではSTAT1、STAT2ともにその発現量の変化はみられなかった。 4)STAT1強発現による抗腫瘍性の変化 これ以降の実験については次年度に検討する予定である。
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