1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770905
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
吉井 将人 杏林大学, 医学部, 助手 (70285378)
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Keywords | 膀胱癌 / 病期分類 / 異型度 / mRNA / MUC-1 / RT-PCR法 |
Research Abstract |
【目的】膀胱癌症例における末梢血中の膀胱癌細胞の検出を行い、病期分類および異型度について比較検討した。 【対象と方法】対象は、健常人20例、未治療膀胱癌症例15例(移行上皮癌13例、腺癌2例)とした。Ficol法にて8mlの末梢血液から細胞を採取し、ISOGENを用いてmRNAを抽出した。Mucin(MUC)-1に対するoligonucleotide primerを設定しreverse transcription polymerase chain reaction(RT-PCR)法を用い検出し、病理組織学的診断との関連を検討した。 【結果】(1)コントロール群(20例)においてMUC-1mRNAは検出されなかった。(2)未治療膀胱癌症例における病期分類では、pT1:8例中3例(38%)、pT2:3例中2例(67%)、pT3:2例中2例(100%)、pT4:2例中2例(100%)にMUC-1mRNAが陽性であった。(3)未治療膀胱癌症例における異型度別では、Grade1:2例中1例(50%)、Grade2:7例中2例(29%)、Grade3:4例中4例(100%)にMUC-1mRNAが陽性であった。(4)腺癌2例中2例(100%)にMUC-1mRNAが陽性であった。 【結論】浸潤性膀胱癌症例および高度異型を有する症例において、MUC-1mRNAの陽性率が高い傾向にあった。以上より、MUC-1を発現している末梢血中の膀胱癌細胞は、浸潤能および転移能に関与している可能性を示唆する興味あるデータと考えられた。
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