1999 Fiscal Year Annual Research Report
培養胚盤胞におけるtrophoblast spreading(TSassay)による着床機構の解明と環境ホルモンの影響について
Project/Area Number |
11770924
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末永 明彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10302712)
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Keywords | 着床 / マウス培養胚盤胞 / trophoblast spreading / cholesterol sulfate / Bisphenol A / エストロゲン活性 |
Research Abstract |
我々は、ヒトを含む哺乳類の初期発生、既に着床機構を支配する複雑なサイトカインネットワークを分子レベルで解明することを目的として研究を行っている。子宮内膜細胞において着床期特異的に増加する硫酸化脂質、また、環境ホルモンひとつとしてビスフェノールAに着目し、マウスの培養胚盤胞におけるtrophoblast spreading assay(TS assay)を用いて以下の項目について検討した。 1)TS assayにおける硫酸化脂質濃度の影響の検討 2)子宮内膜に存在する酵素と硫酸化脂質との相互作用の解明 3)子宮内膜と胚盤胞の共培養下での硫酸化脂質の着床浸潤過程の制御機構の解明 4)TS assayにおけるビスフェノールAの影響 1) については、硫酸化脂質を1nM〜100μMの濃度別に培養皿表面を被覆し、また培養液中に調整し、TS assayを行った。その結果、硫酸化脂質は濃度依存的にtrophoblast spreadingを抑制した。更にtrophoblast spreadingが抑制された細胞形態、細胞骨格にしてどのように影響を及ぼしているかを検討中である。 2、3)については、検討中である。 4)ビスフェノールAは、ごく微量から高濃度に至るまで様々な影響は予想されたが、幅広い濃度における影響を検討した結果、trophoblast spreadingについては有意な差が認められなかった。しかし、ある濃度においては、inner cell massの持続的な成長が認められ、エストロゲン活性が胚発育に対する何らかのシグナルとして影響を及ばしている可能性が示唆される。現在、これらの現象の解明を目標としている。
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