2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770927
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川名 敬 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60311627)
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Keywords | 子宮頚癌 / ヒトパピローマウイルス / L2蛋白質 / 予防ワクチン / 経鼻免疫 |
Research Abstract |
子宮頚癌の発生に深く関与しているヒトパピローマウイルス(HPV)は、性行為感染により腟粘膜や子宮腟部の粘膜上皮に感染する。このHPV感染を防御することで、子宮頚癌の発生を制御する試みが既に諸外国で始まっている。しかし、子宮頚癌に関連するHPVは10種類以上(16、18など)あり、それらの抗原性はHPV型によって異なっているため、どの型のHPVにも有効なワクチンを開発することが大きな課題となっている。 本研究ではHPVの粒子を形成する蛋白質のうち、L2蛋白質に注目し、その一部にどのHPV型にもほぼ共通でかつHPV粒子の表面に露出している領域があることを見出した。HPV16型のこの領域と同じアミノ酸を持つ合成ペプチドをL2ワクチンとして、BALB/cマウスでのワクチン実験を行った。HPVは性器感染することを考慮し、粘膜免疫を誘導できるように経鼻接種により16L2ペプチドを投与した。マウスの血清中、腟洗浄液中にHPV6、16、18型に対する特異抗体が誘導された。腟洗浄液中には主としてIgA抗体が誘導された。HPVはマウスには感染しないため、ワクチンの効果判定には、培養細胞でのHPV感染系を用いた。マウス血清中、腟洗浄液中のいずれにも、HPV6、16型の感染を阻害できる中和抗体が含まれていた。L2ペプチドワクチンの経鼻接種は、性器粘膜面に複数のHPV感染を阻害できる抗体を誘導できることが示された。 一方、MHCクラスIIのハプロタイプが異なる系統であるC57BL10マウスで同様のワクチン実験を行ったが、特異抗体が誘導されなかった。16L2ペプチドをC57BL10マウスのMHCクラスII分子に結合できるように改変したところ、BALB/cマウスと同様の中和抗体誘導が示された。このペプチドワクチンはMHCハプロタイプに応じた改変が可能であることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawana K.Kawana Y.Yoshikawa H.Taketani Y.Yoshiike K.Kanda T: "Nasal immunization of mice with peptide having a cross-neutralization epitope on minor capsid protein L2 of human papillomacirus type 16 elicit systemic and mucosal antibodies."Vaccine. 19(11-12). 1496-1502 (2001)
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[Publications] Kawana K,Yoshikawa H,Takecani Y,Yoshiike K,Kanda T: "Common neutralization epitope in minor capsid protein L2 of human papillomavirus type 16 and 6"Journal of Virology. 73(7). 6188-6190 (1999)
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[Publications] Kawana Y,Kawana K,Yoshikawa H,Taketani Y,Yoshiike K, Kanda T: "Human papillomavirus type 16 minor capsid protein L2 N-terminal region containing a common neutralization epitope binds to the cell surface and enters the cytoplasm."Journal of Virology. 75(5). 2331-2336 (2001)
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[Publications] Matsumoto K,Kawana K,Yoshikawa H,Taketani Y, Toshiike K,Kanda T: "DNA vaccination of mice with plasmid expressing human papillomavirus 6 major capsid protein L1 elicits type-specific antibodies neutralizing pseudovirions constructed in vitro."Journal of Medical Virology. 60(2). 200-204 (2000)
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[Publications] 川名敬,吉川裕之: "ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン"組織培養工学. 26(13). 525-529 (2000)
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[Publications] 川名敬,吉川裕之: "ヒトパピローマウイルスと子宮頚癌"現代医療. 32(12). 2822-2829 (2000)