1999 Fiscal Year Annual Research Report
癌遺伝子由来ペプチドを標的とした卵巣癌の免疫学的制御
Project/Area Number |
11770935
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
奥川 利治 三重大学, 医学部, 助手 (90262998)
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Keywords | HER2 / 樹状細胞 / 細胞障害性Tリンパ球 / 養子免疫 / 癌ワクチン |
Research Abstract |
HLA-A2402を有するHER2陽性卵巣癌患者4名,HER2陰性卵巣癌患者1名および正常人5名の末梢血由来樹状細胞にヒトHER2p63-71ペプチドをパルスし,同一人末梢血リンパ球をin vitroで数回感作してキラ-細胞の誘導を行い,標的細胞に対する細胞障害活性を検討した。樹状細胞による感作を2度以上繰り返すことにより,患者5名および正常人5名のすべてからキラ-細胞が可能であった。得られたキラ-細胞から複数のCTLクローンを樹立した。CTLクローンはいずれも,HLA-A24拘束性にHER2陽性腫瘍細胞株を障害し,その細胞障害活性は抗CD3,CD8,HLA-A24,HLAclassI抗体によって抑制された。HLA-A24を有するHER2陽性卵巣癌患者,HER2陰性卵巣癌患者および正常人においてヒトHER2p63-71ペプチドを用いてHLA-A24拘束性HER2特異的CTLが誘導され,このペプチドの癌ワクチンとしての可能性が示唆された。 さらに,同様の方法で正常人2名の末梢血由来樹状細胞にヒトHER2p780-788ペプチドをパルスし,同一人末梢血リンパ球をin vitroで数回感作してキラ-細胞の誘導を行い,標的細胞に対する細胞障害活性を検討した。樹状細胞による感作を2度以上繰り返すことにより,正常人2名のすべてからキラ-細胞誘導が可能であった。得られたキラ-細胞から複数のCTLクローンを樹立した。CTLクローンはいずれも,HLA-A24拘束性にHER2陽性腫瘍細胞株を障害し,その細胞障害活性は抗CD3,CD8,HLA-A24,HLAclassI抗体によって抑制された。
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