1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770936
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹内 茂人 三重大学, 医学部, 助手 (00273368)
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Keywords | 卵巣癌 / 腫瘍特異抗原 |
Research Abstract |
卵巣癌患者の血清は患者の同意を得た後30人分を採取した。また卵巣癌組織は手術時に採取(2例)した。まず卵巣癌組織のうち1例よりRNAを抽出しそれに相補的cDNAlibraryを作製した。その後組織を採取した患者血清と反応させ、反応するクローン2個採取した。その2クローンのシークエンスを施工し、塩基配列を決定した。2種共に既知の遺伝子であった。1種類はTGF(tumor growth factor)であり、もう1種はKIAA0016(機能等は未解析)であった。この2種は患者が癌組織の一部として認識している癌抗原の一部であると推察される。また、この2種類の抗原を他の卵巣癌患者の血清と反応させ、それぞれ抗体の検出率を検索した。それぞれ15例の血清を使用して抗原抗体反応を施行した。TGFに関しては、0/15との検出率でこの患者特異的な抗原と考えられた。また、KIAA0216では、3/15に抗原抗体反応が認められ、卵巣癌の一部の患者に抗体が検出されることが推察された。また卵巣癌細胞株skov-3のcDNA libraryを作製し、患者血清との反応を検索中である。現在まで有効なクローンは検出されていない。今後はこれらの得られたクローンの他の正常組織、あるいは腫瘍組織での発現を検索する。またskov-3のcDNA libraryを用いてさらに腫瘍抗原の検索を続行するとともに、新たな卵巣癌組織より抗原の検出を施行する予定である。
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