1999 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜間質細胞における血管内皮細胞増殖因子の脱落膜化に関する研究
Project/Area Number |
11770944
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
松井 尚彦 大分医科大学, 医学部, 助手 (00264341)
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Keywords | 子宮内膜間質細胞 / 脱落膜化 / プロラクチン / プロスタグランジン / インターフェロンガンマー / Flt-1 / KDR / Flk-1 |
Research Abstract |
子宮内膜細胞は大きく腺細胞と間質細胞に分けられるが,間質細胞は多くの細胞外成分に囲まれて存在しており,その中には血管内皮細胞も存在する.それ故,間質細胞は血管内皮細胞から産生される種々のメディエーターにより影響を受けることが十分考えられる.また,子宮内膜細胞が脱落膜化する際には血管内皮細胞の増殖が必要であり,血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)が脱落膜化に深く関わっていると思われる.これまで我々は,サイトカイン刺激による子宮内膜間質細胞のプロスタグランジン(prostaglandin;PG)産生について研究し,サイトカイン(特にIL-1β)が,無添加のコントロール群と比較して,間質細胞のPGE2産生を濃度依存性に増加させることがわかり,平成7年4月の日本産科婦人科学会総会において発表した.つづいて,子宮内膜間質細胞におけるVEGFの産生に関しても検討を行い,子宮内膜間質細胞におけるVEGF産生を,インターフェロン-γが濃度依存性に抑制するという結果を得,平成10年10月の第16回World Congress on Fertility and Sterilityにおいて発表した(この報告に関しては,American Journal of Reproduction Immunologyに投稿した).これらの研究で得られた知見を元に,子宮内膜間質細胞におけるVEGFの脱落膜化に関する研究を行い,子宮内膜が脱落膜化していく過程で,VEGF産生は脱落膜化前に比べて有意に増加する事がわかり,平成11年4月の日本産科婦人科学会総会ならびに同年9月の5th Conference of the International Federation of Placental Associationsにおいて発表した.この結果から考察すると,絨毛組織にはVEGFの受容体であるFlt-1,KDR/Flk-1の存在が報告されていることから,子宮内膜間質細胞から産出されるVEGFは,胎盤組織における血管新生に関与している可能性が示唆された事になる.この内容は,今後Fertility and Sterilityに投稿予定である.
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