1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの心血管・呼吸系制御に関する耳石受容体と前庭空間認知感覚中枢の役割
Project/Area Number |
11770986
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
青木 光広 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (30283302)
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Keywords | 耳石動受容体 / 血圧変動 / 前庭空間認識中枢 |
Research Abstract |
1)耳石器系重力受容体と心・血管系反応について検討した。被験者をうつ伏せ位での頚部前屈位(条件1)、側臥位での頚部前屈位(条件2)と各々の前屈前と比較した。測定項目には、ECGでは、平均RR間隔、SDNN,SDdRR,RMSSD,power spectrum としてLF,HF,LF/HFなど。血圧は連続動脈圧測定器を用いて、収縮期血圧(Sys),その変動係数(CVsys)。末梢血流をレーザー血流系にて、左第3指より測定した。RR間隔は体位の変換により非特異的に減少が見られる一方、変動係数やパワースペクトル解析では有意な変化は見られなかった。血圧変動は条件1において有意に変動した。耳石以外の重力受容体への刺激入力は心拍数には影響は少なく、血圧変動には有意に働いている可能性を示唆した。2)視運動刺激による自己回転感覚誘発時に頚部捻転などにより自己の垂直位を変化させることで、空間識失調が起こること(偽視性コリオリ刺激)を利用して、その際の自律神経反応を検討した。偽視性コリオリ刺激により、被験者すべてにおいて、血圧上昇と前額部末梢血流量増加が見られる一方、動揺病症状との強さとの関連性は見られなかった。しかし、刺激終了後の血圧およびその変動係数、RR間隔分析における、LF、LF/HF値において、相関性が見られた。以上より、耳石器および前庭空間認識中枢における重力加速度の変化に伴う入力は、心・血管系反応系出力に働いていると考察された。
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[Publications] Aoki-M,et al,: "Graviceptive control of Blood pressure in man"Arch.Ital.Biology. 138. 93-97 (2000)
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[Publications] Yates-BJ,AokiーM,et al.: "Cardiovascular responses elicited by linear acceleration in human"Exp.Brain Res. 125. 476-484 (1999)