1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770995
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
池田 卓生 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (00304486)
|
Keywords | 空間識 / コンピュータグラフィックス / 頭部傾斜角度 |
Research Abstract |
従来のめまい診療は眼振を中心とした誘発検査が主流であり,めまい患者のめまい感を定量的に評価する検査方法はあまりなかった。そこで,外界空間に関する認知(視覚入力)と身体位置に関する認知(前庭入力・深部知覚入力)のズレ、即ち空間識の異常を定量的に調べる空間識検査法を考案し、臨床応用するために本研究を行った。 検査装置は,ヘッドマウントディスプレイ,角度センサー,ノートパソコンで構成され,被験者にコンピュータグラフィックスの映像空間に合わせた頭部運動を指示し,この時の頭部傾斜角度を計測した。 今年度は、以下の3点について研究を行った。 1.臨床検査装置として使用するためのプログラム開発 被検者の理解の容易さから,提示するコンピュータグラフィックスは,左右の傾斜にするものがよいと考えられた。また,検査時間の短縮やそれに伴う被検者の疲労軽減ため,コンピュータグラフィックスの動きは,左右へ20度傾斜の2種類とし,検査パラメータは,左右傾斜をそれぞれ3回行った際の最大頭部傾斜角度の平均値とした。 2.健康成人についての検討 上記の方法でインフォームドコンセントの得られた健康成人13名について検討した結果,頭部傾斜角度の最大値の平均値は,右傾斜時17.5±1.6度,左傾斜時18.1±2.5度であった。 3.パラメータについての検討 検査パラメータとしては,頭部傾斜角度の最大値の他に,頭部傾斜運動開始までの時間,最大傾斜角度に到達するまでの時間などが利用可能であると考えられた。 次年度は,臨床症例について検討する予定である。
|