1999 Fiscal Year Annual Research Report
初代培養系、実験的軸索切断モデルを用いた神経節細胞保護因子、薬物の基礎的研究
Project/Area Number |
11771032
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富田 浩史 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40302088)
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Keywords | 緑内障 / 神経細胞死 / グルタミン酸 / カルシウム / 神経節細胞 |
Research Abstract |
緑内障患者の硝子体中グルタミン酸濃度は通常より有意に高いことが報告されており、緑内障においてもグルタミン酸毒性が神経細胞死に関与していることが示唆されている。このグルタミン酸毒性にはNMDA受容体が重要な役割を持つことがこれまでの研究で明らかにされている。そこで、本年度は硝子体内へのNMDAの投与によって引き起こされる神経細胞死に対するCaチャネルブロッカーの保護効果について検討した。Caチャネルブロッカーとしては、すでに緑内障治療薬として用いられているbetaxololを用いた。betaxololは選択的β1部ロッカーとして眼圧下降作用を示すとともにL-typeCaチャネルブロッカーとしての作用を併せ持つことが知られている。 方法として、ラット上丘より蛍光色素を注入し、網膜神経節細胞を蛍光標識した後、硝子体内にNMDAを投与し神経節細胞死を誘導した。薬物は種々の濃度でNMDAと同時に硝子体内に投与した。投与後1時間後に眼球を摘出し、網膜伸展標本を作製し実体顕微鏡下にて、蛍光標識された神経節細胞を計測した。L-typeCaチャネルブロッカーの投与によりNMDAによって誘発される神経節細胞死が抑制された。また、網膜神経節細胞は細胞体の大きさにより分けることが可能であるが、種々の細胞体の大きさによりL-typeCaチャネルブロッカーの保護作用について検討したところ、神経節細胞の種類により効果に差があることが判明した。現在、その差が何に起因するものか更に検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Abe, T.: "Characterization of iris pigment epithelial cell for auto cell transplantation"Cell Transplantation.. 8. 501-510 (1999)
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[Publications] Abe, T.: "Cytokine gene expression after subretinal transplantation"Tohoku Journal of Experimental Medicine. 189. 179-189 (1999)
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[Publications] Kobayashi, N.: "Changes of GABA metabolic enzymes in acute retinal ischemia"Experimental Eye Research. 69. 91-96 (1999)
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[Publications] Tomita, H.: "Administration of nerve growth factor, brain-derived neurotrophic factor and insulin-like growth factor-ll protects phosphate-activated glutaminase in the ischemic and reperfused rat retinas"Tohoku Journal of Experimental Medicine. 187. 227-236 (1999)
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[Publications] Tomita, H.: "Increased Expression Of Low-Affinity Ngf Receptor in Rat Retinal Muller Cells After Ischemia and Reperfusion"Cell Structure & Function. 23. 201-207 (1998)
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[Publications] Abe, T.: "Gene Expression Of the Phosducin-Like Protein In the Retina"Ophthalmic Research. 30. 74-83 (1998)