1999 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病角膜症におけるグリケーション後期反応生成物の役割の解明
Project/Area Number |
11771038
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
天野 史郎 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80193027)
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Keywords | 糖尿病角膜症 / グリケーション |
Research Abstract |
【目的】グリケーション後期反応生成物(advanced glycation end products=AGE)形成が糖尿病合併症発症の原因の一つとして注目されている。今回我々は、糖尿病角膜上皮症におけるAGEの役割を検討した。【方法】16例(糖尿病者8例、非糖尿病8例)から得られた角膜において、AGE形成の程度と局在をN'-carboxymethyl lysine(CML)に対するモノクローナル抗体(6D12)を用いて免疫組織化学で検討した。In vitroでは1型または4型コラーゲン、ラミニンのいずれかでコーティングされた96well培養プレートに50mMグルコース6燐酸を加え3週間インキュベーションしたのち、各wellにSV-40で不死化したヒト角膜上皮細胞(Araki K et al.IOVS1995;36:614)を10000cells/0.25mlまき、3時間後に培養液と浮遊細胞を吸引し、プレートに接着した細胞の数と細胞質の大きさを測定した。【結果】DM眼前眼で、角膜上皮基底膜の部分にCMLに対する中等度ー高度の反応を認めた。非DM眼では、8眼中1眼のみの角膜上皮基底膜にCMLに対する軽度の反応を認めた。In Vitroでは、ラミニン上でCMLの形成度に比例して、接着した角膜上皮細胞の数と細胞質の大きさが有意に減少した。1型および4型コラーゲンでは、CML形成の細胞接着への影響はなかった。【結論】角膜上皮基底膜におけるAGE形成が糖尿病角膜上皮症の原因の一つとなっている事が示唆された。
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Research Products
(1 results)