1999 Fiscal Year Annual Research Report
疑似ランダム光刺激によるVEP測定法の開発とアルツハイマー病への応用
Project/Area Number |
11771039
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森 浩士 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50302849)
|
Keywords | 疑似ランダム光刺激 / 視覚誘発電位 / 時間周波数特性 / アルツハイマー病 / 視覚失認 / 大細胞系 |
Research Abstract |
目的 Alzheimer病患者の疑似ランダム光刺激視覚発電位を測定しその特徴を検討する。 対象、方法 Alzheimer病患者17名34眼と正常者13名13眼を対象とした。まずAlzheimer病患者をMinimental State Exam(MMSE)の点数に基づきMild,Moderate,Severeの3群に分けた。次に、通常の眼科検査のほかに色覚、立体視、二重五角形転写テストを行ない、非視覚失認群と視覚失認群にわけた。すべての被験者に疑似ランダム光刺激視覚誘発電位(PRBS-VEP)を施行し、VEP曲線と2-30Hzの範囲で2Hz毎の時間周波数特性(TFC)を求めた。正常対照群と各群間の差異を各々検定(ANOVA、多重比較)した。 結果 1)mild群はすべて非視覚失認群、Severe群はすべて視覚失認群であり、Moderate群が視覚失認症状陰性と陽性にわかれた。 2)両分類で重症な者ほど振幅は減少した(t検定、p<0.05)が潜時に有意な変化は無かった。 3)重症度別検定では、Severe群の18Hz-24Hzに減弱があった(p<0.01)。4)視覚症状別検査でも視覚失認群の18-22Hzに有意な減弱があった(p<0.05)。 まとめ Alzheimer病の視覚失認を示すサブグループでは直径の大きな視神経線維の脱落やVEP潜時延長など視神経変化の報告がある。今回の実験では、痴呆の進行ないし視覚失認の進行に伴う高周波数帯域の利得低下が測定された疑似ランダム刺激視覚誘発電位で検出可能であった。
|