1999 Fiscal Year Annual Research Report
角膜上皮再生,治療における水晶体上皮由来増殖因子の影響について
Project/Area Number |
11771045
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
蒔田 潤 福井医科大学, 医学部, 助手 (90283192)
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Keywords | LEDGF / 角膜創傷治癒 / 糖尿病角膜症 |
Research Abstract |
LEDGF(lens epithelium derived growth factor)は近年精製され,growth/adhesive factorとしてだけでなく,survival factorとして作用する事が知られ,注目を集めている.免疫染色によりLEDGFが角膜にも存在することは確認されているが,角膜におけるLEDGFの作用は不明であった.本研究では正常ラットおよび糖尿病角膜症モデルラットの角膜上皮を全剥離し,LEDGFの点眼投与による創傷治癒に対する効果を検討した.糖尿病角膜症モデルラットは50%ガラクトース含有食を8週間投与して作製した.n-heptanolにより角膜輪部に至るまで角膜上皮細胞を全層剥離させたフルオレスセイン染色像を12時間毎に撮影し、上皮欠損の占める割合で治癒過程を評価した。対照は,LEDGFの融合蛋白であるGST(Glutamate S transferase)投与群とLEDGF-antibody投与群とした.正常ラットの結果では,LEDGF-antibody投与群は他群よりも有意に治癒が遅延し,糖尿病角膜症モデルでは有意にLEDGF投与群の治癒が早かった.LEDGFは角膜においても新規な創傷治癒薬となることが期待される.以上の結果は水晶体研究会,日本眼科学会にて報告した. 今後,Western blotによる比較,角膜培養細胞における解析を加えていく予定である.
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