1999 Fiscal Year Annual Research Report
脈絡膜新生血管に対する光化学療法とその臨床応用のためのノモグラムの作製
Project/Area Number |
11771070
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
森 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90251090)
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Research Abstract |
マカク属サル3匹6眼の後極部眼底に、赤色クリプトンレーザーで、小照射径(100μm)による強凝固を行い、実験的に脈絡膜新生血管を発症させた。眼底には、4ないし6個の凝固を黄斑部を中心に行った。脈絡膜新生血管の発症は術後10日から2週間の間に実施された検眼鏡検査及び蛍光眼底造影法で確認された。脈絡膜新生血管の発症率は78%であり、全ての凝固斑に新生血管の発芽が観察されてわけではなかった。新生血管発症が確認された同日に、NPe6およびインドシアニングリーン(ICG)の各々25mg/kgを肘静脈より投与し、走査型検眼鏡を使用して蛍光眼底造影を行った。蛍光造影初期より新生血管の描出が観察され、中期より蛍光漏出確認された。造影は、静注後20分の後期まで行い、それぞれの色素による残留漏出蛍光の状態を記録、観察した。その結果、両者での造影所見には差異の無いことが確認された。また、造影初期よりも、後期で蛍光輝度が高かったが、この所見は、光力学療法を実施時期決定に有用な知見である。この実験により、ICG造影所見がNPe6の組織集積を密接に反映していることが理解された。以上の知見は、昨年秋の臨床眼科学会で報告された。また、蛍光組織検査を平行して行っており、組織内の色素分布状態の検索結果については、今年春の京都市で開催される日本眼科学会総会で発表予定である。以上の実験は、「動物保護及び管理に関する法律(法令第105号)」と「動物の保護飼育及び保管に関する基準(総理府告示第6号)」に基づき、また埼玉医科大学動物倫理委員会の内規に準じて実施された。
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