2000 Fiscal Year Annual Research Report
実験的緑内障眼における薬物投与による視神経画像および病理組織像の変化と血流の関係
Project/Area Number |
11771072
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷野 富彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50217147)
|
Keywords | 緑内障 / 乳頭篩板 / HRT / 眼圧 |
Research Abstract |
研究の背景:緑内障の視神経障害は、眼圧による篩板の変形と視神経乳頭周囲の血流障害が関係し、神経節細胞がアポトーシスをおこし生じていることが最近わかってきた。日本人には眼圧が正常である正常眼圧緑内障が比較的多く,また近視も多いことから視神経乳頭部の陥凹形成には眼圧ばかりでなく、乳頭篩板部の脆弱性も影響しているものと考えられる。しかし、その評価方法は確立されておらず、乳頭篩板部の圧負荷の研究が必要である。 目的:人工的に高眼圧負荷を与える実験モデルを用いて、視神経乳頭の変化をHRT(Heidelberg Retinatomograph)で画像撮影し検討した。 方法:摘出豚眼に24Gエラスタ針を縫着し、BSSプラス(日本アルコン社)に接続し点滴台を眼球に対して30cm、60cm、90cm水柱と上下させた。それぞれの眼圧負荷後5分、10分でHRTを用いて摘出豚眼の視神経乳頭撮影をおこなった。さらに10分間隔で負荷を繰り返しかけ、視神経乳頭撮影をおこなった。 結果: 1.眼圧負荷後、視神経乳頭部はわずかに陥凹した。5分後、10分後では特に大きな変化を認めなかった。負荷の水柱が高ければ高いほど陥凹の程度は大きくなる傾向があったが、眼圧上昇に応じて角膜浮腫が強くなり、視神経乳頭部の観察が困難となった。 2.陥凹は初期には負荷を中止すると元の状態にもどるものの、繰り返し負荷をかけると負荷前の状態までもどらなくなった。 結論:高眼圧負荷の摘出豚眼モデルの検討では眼圧上昇に応じてより大きな変形が生じ、その変形は負荷を繰り返すことにより不可逆性変化となった。
|