1999 Fiscal Year Annual Research Report
涙腺部上皮性悪性腫瘍における筋上皮由来腫瘍細胞の免疫組織化学的検討
Project/Area Number |
11771080
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
飯田 和之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70307403)
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Keywords | 涙腺腫瘍 / 多形腺腫 / 腺癌 / 免疫組織化学 / 病理学 / 筋上皮 / 筋上皮腫 / 癌窩腫瘍 |
Research Abstract |
近年,外分泌腺混合腫瘍の新しい腫瘍形態として、筋上皮由来の腫瘍細胞が優位なmyoepitheliomaという疾患単位が注目されている。さらに、従来のmalignant counterpartとしての悪性混合腫瘍・腺癌・腺様嚢胞癌に加えて、malignant myoepitheliomaの存在も報告されている。しかしながら、涙腺部上皮性悪性腫瘍は,頻度が少ないため、十分に由来細胞の検討は成されていない。本研究は、われわれの教室で多数保管されている眼窩腫瘍の病理標本のうち、涙腺部上皮性腫瘍、特に悪性腫瘍の標本を用い、病理診断の再評価をするとともに、免疫組織化学的に筋上皮由来の腫瘍細胞の存在ならびにその割合を検索する。対象は過去16年間に当教室にて摘出された涙腺部上皮性悪性腫瘍5例のパラフィンブロック保存サンプルに対し検討を加える。当初、なされている病理診断は多形腺腫に合併した多形腺癌1例、癌肉腫1例、腺癌2例、腺様嚢胞癌1例である。そのうちの1例につき今回病理学的,免疫組織化学に検討した。ヘマトキシリン-エオジン染色では正常の涙腺構造がみられ、その腺葉の周囲より形態が崩れていくような部分を伴いその形態の崩れの部分より続く細胞が脱分化を示し、紡錘、類円形の肉腫様の未熟な所見をみとめた。免疫組織染色においては全上皮に陽性を示すEMAと平滑筋に特異性の高いαーSMAに腫瘍細胞が陽性であった。また電子顕微鏡所見でdesmosomeがみられたことなどより腫瘍が筋上皮細胞由来とおもわれた。腫瘍細胞の由来が腺上皮優位か筋上皮優位かをみるためductal formationを検索したが今回の場合単位観察野あたりの出現頻度は5%以下であり、このことからも筋上皮細胞由来のmalignant myoepitheliomaと考えられた。
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