2000 Fiscal Year Annual Research Report
脈絡膜新生血管のインターフェロンβによる遺伝子治療
Project/Area Number |
11771083
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
戸部 隆雄 関西医科大学, 医学部, 講師 (60268357)
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Keywords | インターフェロンβ / 遺伝子治療 / リポソーム法 |
Research Abstract |
1.正常ラット網膜へのインターフェロン(IFN-)β遺伝子の導入 Lac-Z遺伝子を持ったプラスミドをリポソームにより硝子体内に注入し、注入2日後に眼球を摘出して、液体窒素にて凍結した。クライオスタットで切片を作成し、X-galで染色して位置は明らかではなかったが網膜内での遺伝子導入部位を確認できた。ついで、ラットIFN-β発現プラスミドDNAを同様のリポソームで硝子体内注入して網膜へ遺伝子導入を計った。 2.産生IFN-βの定量分析 上記の方法で正常ラット網膜にラットIFN-β遺伝子を導入した後、注入2日後に眼球を摘出し、網膜を剥離した。この網膜からIFN-βを抽出し定量したが、ごく微量しか検出できなかった。 3.中等度レーザー光凝固による網膜色素上皮と脈絡膜毛細血管板の傷害 色素レーザーの橙色波長(595nm)を用いて、正常ラット網膜に中等度の強さ(凝固径200nm,凝固時間0.5秒,凝固出力100mW)で網膜光凝固を行って、網膜色素上皮と脈絡膜毛細血管板を傷害した。その後、ラットIFN-β発現用プラスミドDNAをリポソームで硝子体内注入して、網膜に遺伝子導入した治療群と、IFN-β遺伝子を含まないリポソームを同様の方法で硝子体内注入した対照群の網膜色素上皮と脈絡膜毛細血管板の修復過程の違いを検討した。すなわち、網膜光凝固後1日、3日、7日、14日に、両群からそれぞれ眼球摘出して、組織切片を作成し、光学顕微鏡と電子顕微鏡で形態学的に検討した。しかし、両群に明らかな形態学的な相違はみられなかった。 4.IFN-β遺伝子を導入した網膜の免疫組織学的染色 上記のIFN-β遺伝子導入した眼球を摘出して、新鮮凍結切片を作成し、抗IFN-β抗体を用いて免疫組織化学染色を行ったが、網膜内でのIFN-βの局在は、証明できなかった。
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