1999 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒と遺伝子治療:遺伝子銃による細胞増殖因子の局所的導入法に関する研究
Project/Area Number |
11771092
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
黒木 知明 千葉大学, 医学部・付属病院, 助手 (00292706)
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Keywords | 創傷治癒 / 遺伝子銃 / 細胞増殖因子 |
Research Abstract |
平成11年度の研究成果概要 創傷治癒過程に関連するEGF,FGFfamily,PDGF,TGFα,TGFβ,IGF-Iの細胞増殖因子をコードする遺伝子を遺伝子銃を用いて導入・発現させて難治性皮膚潰瘍の遺伝子治療法を開発する事が本研究の目的である。本年度は次の4点に絞って研究を進めた。1)移植皮膚への遺伝子銃を用いた遺伝子導入と遺伝子発現の系の確立。2)移植皮膚への遺伝子導入・発現に用いる真核細胞発現ベクターの検討。3)遺伝子ワクチン化した皮膚などの組織への移植法の確立。4)EGF,FGF,PDGF,TGFα,TGFβ,IGF-I遺伝子のクローニング。 本年度は1)〜3)の研究にレポーター遺伝子としてトキソプラズマ原虫由来SAG1遺伝子及びT.G.HSP70,T.G.HSP30遺伝子を用いて行った。また、遺伝子銃による皮膚への遺伝子導入・発現効率を解析するため遺伝子導入皮膚移植実験系を直接皮膚遺伝子導入系を共に用いて解析した。その結果、1)遺伝子銃による皮膚への遺伝子導入条件としてゴールドパーティクルのサイズは1.6μm,Heガス圧は400psiが最適である事がわかった。2)遺伝子銃による遺伝子導入用にpME_<18>100真核細胞発現ベクターが効率良く機能する事が示された。3)15mm×20mmの皮膚全層欠損創を形成し移植皮膚の部位及び大きさとして腹部皮膚で15mm×20mmのサイズが遺伝子発現に適している事が示された。本年度の研究目標としてあげたEGF,FGF,PDGF,TGFα,TGFβ,IGF-I遺伝子クローニングに関してはcDNAライブラリー源の検討を進めており、来年度の研究課題として残された。以上本年度の研究によりマウスモデルによる遺伝子導入化皮膚移植実験系の確立に成功し、平成12年度の糖尿病マウス(db/dbマウス)を用いた難治性皮膚潰瘍の遺伝子治療法の開発へ向けてほぼ順調な研究成果が得られた。
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[Publications] 黒木知明: "Reservoir使用時の抗癌剤漏出による巨大腹壁潰瘍の経験"形成外科. 41・3. 277-282 (1998)
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[Publications] 黒木知明: "足背潰瘍部から大量出血を来したcirsoid hemandiomaの治療経験"形成外科. 41・7. 627-632 (1998)
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[Publications] 黒木知明: "cystic basal cell carcinomaの1例"形成外科. 41・8. 783-796 (1998)
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[Publications] 黒木知明: "顔面にみられたEpithelioid Hemangiomaの1例"日本形成外科学会会誌. 18・12. 662-664 (1999)
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[Publications] 黒木知明: "先天性と思われた類上皮腫の4例"形成外科. 42・4. 339-344 (1999)
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[Publications] 黒木知明: "小児の頭皮におけるTissue Expander使用時にみられた頭蓋骨陥凹変形の経験"日本形成外科学会会誌. 19・6. 332-336 (1999)