2000 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺腺様嚢胞癌細胞におけるヘパラン硫酸プロテオグリカン代謝の分子病理学的特性
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11771111
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木村 信 新潟大学, 歯学部, 助手 (80251825)
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Keywords | ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 唾液腺腺様嚢胞癌 / 細胞外基質 / パールカン / RT-PCR |
Research Abstract |
前年度は、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)のドメイン3を認識するDIG標識RNAプローブを作製し、in-situハイブリダイゼーション法により唾液腺腺様嚢胞癌由来培養細胞ACC3および腺様嚢胞癌組織におけるHSPGのmRNA発現パターンを検索した。 今年度は、HSPGのヘパラン硫酸鎖結合部位であるドメイン1の発現および機能を検索するため、RT-PCRによりドメイン1のcDNAを合成した。 1.ドメイン1の全長より10塩基対を両末端に多く含むプライマーを設計し、正常唾液腺cDNAおよびACC3細胞cDNAをもちいてPCRをおこなった。 2.PCRの結果、正常唾液腺cDNAをもちいたものでは予想される塩基数(530bp)のバンドが得られた。この産物で2nd-PCRをおこなった後、新たに設計した、BamHIおよびHindIIIサイトを末端に含むプライマーでnested-PCRをおこなった。 3.nested-PCRでは、予想されたサイズのバンドが得られたので、これを切り出し精製した。この精製物を、制限酵素切断により目的のcDNAであるかどうか確認した。制限酵素は、切断箇所が一カ所のみと推定されるPvuIIをもちいた。その結果、予想されるサイズの2本のバンド(282bpおよび235bp)が得られた。 以上の結果から、正常唾液腺cDNAをもちいたHSPGドメイン1のcDNAの合成が確認された。このcDNAをもちいることにより、ドメイン1蛋白質の合成、ドメイン1認識プローブを作製する準備が完了した。現在、プローブを作製中で、今後、HSPG機能解析実験に有用な手段となることが期待される。
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