1999 Fiscal Year Annual Research Report
A.actinomycetemcomitans線毛機能の遺伝子からの解析
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11771115
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷本 一郎 岡山大学, 歯学部, 助手 (00280686)
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Keywords | 線毛 / 遺伝子 / 転写 / オペロン |
Research Abstract |
Inverse PCRによるflp下流遺伝子のクローニング,シークェンス Actinobacillus actinomycetemcomitans 304a株において,flpを含む3300bpの配列を既にクローニング・シークェンス済みである。この配列からInverse PCR用のprimerセットを設計し,Inverse PCRを試みた。その結果,flpの下流の領域を含めて5709bpのDNA配列を確定した。 DNAシークエンスの解析 flp geneの下流には,このorfと同じ方向に,orfA,orfB,orfC(orfの一部のみ)があることは既に報告済みである。その下流を決定したことによって,orfCの全長とさらに下流にorfD,orfE(一部)の存在が明らかになった。このorfD,orfEは,最近Haase,EMらが報告している2つのタンパクRcpA,RcpBと一致した。この2つのタンパクはA.actinomycetemcomitansがラフ型のコロニー形態をとるときのみ外膜に発現するタンパクで,線毛関連タンパクであると示唆している。これらの遺伝子が同方向に,orf同士が位置的に緊密にあることから,その可能性は大きいであろう。 線毛遺伝子のトランスクリプションの解析 flpを含む領域のmRNAの転写様式を調べるため,primer extension,ribonuclease protection assayを行った。その結果,転写開始点は,flp構造遺伝子の上流102bpであることが同定できた。まだ転写終結は,flpの構造遺伝子のすぐ下流に存在するステムループ配列で転写が止まるものと(モノシストロン),さらに下流のorfAまで転写が続くもの(ポリシストロン)とが存在した。この転写のアテニュエータによって,線毛構築のための各タンパクコンポーネントの構成モル比を調節しているのかもしれない。
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