1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771120
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小林 昌彦 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (70285633)
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Keywords | GTP cyclohydrolase II / 活性酸素 |
Research Abstract |
活性酸素の酸化作用で生じる高い変異原性を持つ8-oxo-dGTPは,MutTとGTP cyclohydrolase II(GCHII)によって分解される.GCHIIの発現は,定常的に発現しているMutTと異なり,酸化ストレス適応応答を制御しているSoxRSレギュロンによって誘導される.mutT欠損大腸菌,およびGCHII遺伝子であるribAも欠損させたmutTribA欠損大腸菌を,SoxRSレギュロンのアクチベーターであるSoxSの遺伝子を含む高コピープラスミドで形質転換し,内因性活性酸素に対する大腸菌の影響を解析した.SoxSプラスミドを保持するmutT欠損株は,コントロールの場合に比べ一晩培養後のコロニー形成能が低く,生育能力の低下がみられた.抗菌薬のリファンピシン,およびストレプトマイシンに対する耐性変異体の出現率を用いた変異率の測定では,SoxSプラスミドを保持する場合の方が変異率が上昇傾向にあることが観察された.mutTribA欠損株を用いた場合でも,SoxSプラスミドによる生育能力の低下と,変異率の上昇傾向がみられた.mutT欠損株とmutTribA欠損株との比較からは,SoxSによるGCHIIの発現上昇が変異率を抑制する傾向は認められなかった.今後,SoxSプラスミドを保持する株のGCHIIの発現レベルを確認するとともに,今回観察された,SoxSプラスミドによる生育能力の低下と変異率の上昇傾向がどのような機能によるものかを,SoxRSレギュロン下の機能を中心に解析して明らかにしていこうと考えている.
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