1999 Fiscal Year Annual Research Report
力学的負荷が引き起こす骨細胞のプロスタグランジン受容体発現と新規骨形成因子の解析
Project/Area Number |
11771121
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (40306254)
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Keywords | メカニカルストレス / プロスタグランジン受容体 / 骨細胞 |
Research Abstract |
力学的負荷の一つであるシェアストレスを株化骨細胞MLO-Y4に、0〜1.44dyneかけ、プロスタグランジン(PG)合成の律速酵素であるサイクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)をRT-PCR法によってその発現量を検討すると、ストレスの大きさに応答して発現が増加した。1.44dyneのストレスで0h〜l2hまでの時間変化に対するCOX-2の発現量は、3hがピークであった。その変化量をLightCyclerを用いて定量すると、0hと3hではPCRのサイクル数で12サイクルほどの差が認められ、その差は理論的に2^<12>倍であると計算された。このとき発現するPGを薄層クロマトグラフィーによって同定したところ、もっとも多く発現しているのはPGE2であり、その他PGF2αやPGD2なども僅かに発現していた。骨細胞MLO-Y4と骨芽細胞MC3T3-E1細胞のPGリセプターの発現をRT-PCR法によって同定すると、MLO-Y4では、EP1,EP3,EP4,FP,IPの発現が、MC3T3-E1では、EP1,EP3,EP4,FPの発現が認められた。また、マウスの長管骨より骨細胞のRNAを注出し、RT-PCR法により同様の実験を行ったところ、EP4とIPの発現のみが認められた。また、MLO-Y4において、EP4の発現変化を検討したところ、シェアストレスに応答して3hをピークに発現量が増加していた。以上のこれまでの結果から、骨細胞はシェアストレスに応答してPGE2を合成し、EP4リセプターを介して、そのシグナルを下流に伝えていることが明らかとなった。
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