1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔領域前癌病変の早期評価を目的としたTelomeraseの検討
Project/Area Number |
11771128
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
三好 代志子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70288075)
|
Keywords | (1)Telomerase / (2)h-TERT遺伝子 / (3)TRAP法 / (4)in situ TRAP法 |
Research Abstract |
口腔癌の治療成績は治療法の進歩と共に向上しているが、未だ満足すべき結果になっておらず、早期発見・早期治療が重要である。口腔癌の診断には、従来から組織診や細胞診が用いられ、特に良性と前癌病変の鑑別診断には、免疫組織化学的な細胞増殖マーカーの検出やDNA ploidyの解析、フローサイトメトリーを用いた細胞周期の解析が検討されてきた。しかし、いずれの方法も癌の早期診断の明確な指標として用いられるには至っておらず、新たな腫瘍マーカーの必要性が求められている。Telomeraseは細胞の増殖、不死化と癌化に関与しており、癌の早期診断の指標として最近注目を集めている。今回、口腔粘膜上皮に発生する前癌病変に注目し、以下の3つ実験結果と病理組織学的所見と比較検討してTelomeraseが前癌病変の早期診断に役立つかを検討している。 (1)良性、前癌病変、癌組織におけるTRAP法によるTelomerase活性の有無と強度の検討。 (2)良性、前癌病変、癌組織におけるTelomerase触媒サブユニット(h-TERT遺伝子)の発現の検討。 (3)良性、前癌病変、癌組織における塗沫細胞及び組織切片レベルのIn situ TRAPによるTelomerase陽性細胞の局在についての検討。 良性及び前癌病変を含む口腔白板症、口腔扁平上皮癌由来培養細胞株KB cell及びその移植組織を対象にに検討を行った。TRAP法によるTelomerase活性測定では口腔白板症の一部の症例でTelomerase活性が検出された。組織学的に上皮異形成の認められた前癌病変が示唆された部位に一致してTelomerase陽性細胞がin situ TRAP法で観察された。KB cellではTelomerase活性とh-TERT発現が認められin situ TRAP法において、核にTelomerase活性局在が認められた。
|