2000 Fiscal Year Annual Research Report
扁桃体単一ニューロンの膜特性および海馬体との神経回路網に関する電気生理学的研究
Project/Area Number |
11771136
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
舩橋 誠 岡山大学, 歯学部, 助手 (80221555)
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Keywords | 扁桃体外側核 / 海馬体 / 内嗅野 / スライス / 細胞内記録 / グルタミン酸受容体 / ラット / ガンマ波 |
Research Abstract |
海馬体の内嗅野深層の電気刺激に誘発されるバースト発火の扁桃体外側核への伝播について,両部位を含む水平断ラット脳スライスを用いて,ガラス微小電極による細胞内記録法と金属電極によるフィールド電位記録により解析を行った。扁桃体の単一ニューロンのうち内嗅野深層ニューロンのバースト発火と同期して活動するものは主に錘体細胞に検出された。扁桃体の単一ニューロンが示した誘発電位は次の4タイプに分類された。1)内嗅野のバースト発火にほぼ相似形なバースト発火でガンマ波を含むもの,2)刺激後50msの間のみ持続する200ヘルツ程度の発火頻度を示すバースト発火,3)1発の活動電位のみ発火するもの,4)活動電位の発火は見られず興奮性シナプス後電位のみが観察されるものであった。こららの誘発電位は全て近傍のフィールド電位と同期して観察された。このことは2つの細胞から同時細胞内記録を行った実験データを用いた相関解析によっても,扁桃体外側核内の2ニューロンの顕著な活動同期性が明らかとなった。また,活動電位の発火を伴わない誘発電位を示した扁桃体外側核ニューロンはGABA-A受容体のアンタゴニストであるピクロトキシンの潅流液内への投与によってもその応答様式には変化が見られず,内嗅野からのシナプス入力自体に依存していることが示唆された。さらに,これらの誘発電位がAMPA型およびNMDA型の両方のグルタミン酸受容体を介して誘発されることを薬理学的に証明した。
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