1999 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型トランスフェリン様蛋白遺伝子の発現調節機構の解明
Project/Area Number |
11771138
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中舛 和子 広島大学, 歯学部, 助手 (00311811)
|
Keywords | 軟骨 / 遺伝子 / 転写活性 |
Research Abstract |
ウサギ初代軟骨細胞、インスリンにより軟骨細胞に誘導可能な細胞株マウスATDC5および線維芽細胞株NIH3T3を用いてルシュフェラーゼアッセイを行い、マウスMTf遺伝子の転写活性について検討した。転写開始点を+1として、+190bpの位置から-1635bp(MTF-1635),-1213bp(mmMTF-1213),-693bp(MTF-693),-444bp(MTF-444),-210bp(MTF-210)の5'上流領域の断片をルシュフェラーゼベクターに組み込んだ組換え体を作製した。これらの組換え体とpRL-TKをリポフェクチン法にて上記の3種類の細胞に形質導入し、72時間培養後にルシュフェラーゼ活性を測定した。それらのルシュフェラーゼ活性を比較した結果、初代軟骨細胞、ATDC5、NIH3T3の順に高かった。この結果は、MTf mRNAのこれらの細胞培養系での発現量の関係とよく一致していた。初代軟骨細胞においては、MTF-1213の活性が最も高く、これ以降組換え体が短くなるにつれて活性が低下し、MTF-1213と最も活性の低いMTF-210とでは6倍の差があった。MTF-1635の活性はMTF-1213の活性の1/2であった。また、ATDC5とNIH3T3では、ベクターのみとMTF-210に活性の差がないのに対し、初代軟骨細胞においおてはMTF-210に有意に高い活性が認められたことから、転写開始点から-210bpまでに軟骨特異的なMTf遺伝子転写活性がある可能性が考えられた。今後、まずこの-1213bp〜-210bpの領域にエンハンサー活性があるかどうか検討を行う。
|
-
[Publications] Nakamasu,K.et al.: "Membrane-bound transferrin-like protein(MTf):structure,evolution and selective expression during chondrogenic differentiation of mouse embryonic cells"Biochim.Biophys.Acta. 1447. 258-264 (1999)