1999 Fiscal Year Annual Research Report
ホルフィロモナスジンジバリスの鉄獲得に関与する統括的なレプレッサー蛋白の遺伝子クローニングおよび機能解析
Project/Area Number |
11771154
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保庭 雅恵 大阪大学, 歯学部, 助手 (00303983)
|
Keywords | 歯周期病原性菌 / Prphyromonas gingivalis / 鉄獲得システム / 遺伝子発現調節機構 / fur / クローニング |
Research Abstract |
本研究では、Porphyromonas gingivalis(P.g)のもつ鉄獲得システムの発現調節機構を解明する目的で,まず,Escherichia coliのFerric uptake regulator protein(Fur)をコードする遺伝子(fur)と相同性の高い遺伝子配列がP.gゲノム上に存在するかどうかをサザンハイブリダイゼーション法を用いて調べた。その結果,E.coliのfurのコーディングサイトで作製したプローブと弱く反応するバンドが1カ所のみ検出された.そこで,反応を示したバンドをアガロースゲルより切りだしてDNA断片を精製し,プラスミドに組み込んでミニライブラリを作製した.次に,Bacillus subtilisを宿主細菌として用いたコロニーハイブリダイゼーション法により,ミニライブラリ中のP.g遺伝子断片のスクリーニングをおこなったが、現在のところクローニングには成功していない.ハイブリダイゼーションの反応性の弱さから,E.coliのfurとP.gのfur様遺伝子はかなり相同性が低いことが予測され,スクリーニングに際しての技術的問題について現在検討中である. また,我々はこれまでにP.gが産生するリジン特異的システインプロテアーゼ(KGP)がヘモグロビン結合能を有し、P.gの鉄獲得機構において重要な役割を果たしていることを明らかにしてきた.現在,同分子に対するDNAワクチンを作製し,P.g感染に対する防御効果をマウスを用いて評価することで,KGPがP.gの病原性と鉄獲得システムにおいてどの様な役割を果たしているかを調べている.
|