2000 Fiscal Year Annual Research Report
Campylobacter rectusの熱ショック蛋白質の局在性と性状
Project/Area Number |
11771156
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田部 慎一 徳島大学, 歯学部, 助手 (40284301)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / 歯周病原性細菌 / GroEL様蛋白質 / Campylobacter rectus / 表層抗原 / 免疫染色 |
Research Abstract |
Campylobacter rectus培養菌体を可溶化後、アクリルアミドゲルを用いた電気泳動を行い、ニトロセルロース膜に転写後、市販の抗Human HSP60モノクローナル抗体(mAb-HuHSP60)または昨年度作成した抗C.rectus GroEL様蛋白質ポリクローナル抗体(pAb-CrGroEL)を1次抗体として用いたWestern immunoblottingを行った。その結果、両抗体ともGroEL様蛋白質と考えられる64kDa反応バンドが確認できた。しかし、pAb-CrGroELは150kDa付近においても反応バンドが認められた。また、C.rectus菌体をホルマリン固定後、上記2種の各抗体を一次抗体、金コロイド標識抗体を二次抗体として免疫染色を行い、透過型電子顕微鏡にて抗体反応物質の局在性を調べた。その結果、mAb-HuHSP60を用いた菌体では付着は認められなかったが、pAb-CrGroELを用いたものでは菌体表層に多数の金コロイド粒子の付着が認められた。このことから、ヒト由来のHSP60に認識されるGroEL様蛋白質は表層には存在しないが、GroEL様蛋白質と共通抗原性を示す150kDa物質が表層に局在している可能性が示唆された。 C.rectusに感染した歯周病患者においてGroEL様蛋白質が増幅して産生されることは予測されるものであり、この共通抗原性を示す物質が菌の抗原性とも深く係わっているのであれば、特異抗体の産生によって、GroEL様蛋白質との免疫複合体の形成、補体の活性化、歯周局所への過剰な好中球の遊走による組織傷害とつながる可能性は十分に考えられる。今後、この共通抗原物質を同定し、性状を調べるとともに上述の仮説を検索していく予定である。
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Research Products
(2 results)