1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔細菌の菌体成分によって惹起されるアナフィラキシー様急性ショック反応-特に補体系の関与について
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11771161
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川畑 義裕 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70274842)
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Keywords | アナフィラキシー様反応 / C5 / マウス / Klebsiella / レクチン経路 / マンノースホモポリマー / 血小板 / セロトニン |
Research Abstract |
歯周病との関連性がある黒色色素産生性のPrevotella intermedia ATCC25611のリポ多糖(LPS)をマウスに静注すると、数分以内にユニークな血小板の反応が誘導された。即ち、LPS注射後、血小板が肝臓や肺に蓄積して崩壊すると急速なアナフィラキシー様反応が起こった。マンノースホモポリマー(MHP)を有して、レクチン経路を介する補体活性化能の強いKlebsiella O3のS型LPS(KO3-S LPS)は極めて強い血小板/ショック反応を誘導した。抗補体剤のK76モノカルボキシル酸は、KO3-S LPSで誘導される血小板崩壊と急性ショックを抑制した。補体成分C5を欠くDBA/2マウスでは、KO3-S LPSを注射しても、血小板が肝臓や肺に一過性に集まった後、即座に血中に戻るため、急性ショックは起きなかった。MHPを欠くKO3のR型LPSをマウスに静注すると血小板は肺と肝臓に蓄積するものの血小板の崩壊は起こらなかった。上記成績からLPSに対する血小板反応のメカニズムとして、次のような仮説を考えている。即ち、1.LPSによって補体が活性化されると、補体のC5からC9までの成分が膜侵襲性複合体(MAC)を形成して血小板を破壊させる。2.LPS注射によって肺や肝臓に急速に蓄積(機序は不明)した血小板が補体依存的に崩壊すると放出されたセロトニンの作用によってショックが起こる。現在口腔レンサ球菌菌体等、他の標品でも血小板/ショック反応が起こることを見出して、作用機序解明を進めている。
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Research Products
(1 results)