2000 Fiscal Year Annual Research Report
数理形態学をMRIに応用した新しい骨梁形態解析法の開発
Project/Area Number |
11771167
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
櫻井 孝 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (60277910)
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Keywords | magnetic resonance imaging / 骨梁形態解析法 / computed radiography / 橈骨 / 脛骨 / 踵骨 / 腰椎 |
Research Abstract |
骨質評価のための三次元的骨梁形態解析法を確立するため、MRIに数理形態学を応用し以下の結果を得た。研究に用いた1.5tesla MRI装置で現実的に設定し得る撮像時間の範囲では、十分な緩和時間により信号強度を稼ぐスピンエコー法よりも、緩和時間が不十分でも加算回数を増やして信号強度を稼ぐ3Dグラディエントエコー法の方が、高空間分解能で信号雑音比の高いMRIデータを得られることが明らかとなった。そして、橈骨と脛骨には膝用クアドラチャーコイル、踵骨には2個の円形サーフェイスコイルを2チャンネルのフェーズドアレイコイルとして用いることにより、高空間分解能のサンプリングデータを得ることができた。しかしながら、腰椎では解析に耐える撮像条件を見付け出すことは出来なかった。獲得したMRIサンプリングデータは、TARフォーマットを介して富士CR用フォーマットに変換することにより、CRワークステーション上での画像処理が可能であった。 CR画像データに変換後のMRIサンプリングデータを数理形態学フィルターで画像処理することにより、橈骨、脛骨、踵骨における骨梁形態の構造的特徴を骨梁パターンとして抽出することができた。そして、フィルターが数理形態学の集合演算式に一致する空間周波数領域の骨梁を特異的に抽出し得たことから、デジタルX線画像用の数理形態学フィルターはMR画像に対しても有効であることが明らかとなった。また、MR撮像の断層方向や位置を任意に変更することにより、骨梁形態の三次元的解析が可能であった。しかしながら、同フィルターは元のMR画像では認識されない画像ノイズや被写体の僅かなモーションアーチファクトも抽出し、解析画像に影響を及ぼした。さらに、腰椎では高空間分解能のMR画像が得られなかったことから、フィルターは十分な骨梁パターンを抽出できなかった。
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