1999 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性歯周炎発症における歯肉線維芽細胞グルタチオンレドックスサイクルの関与
Project/Area Number |
11771169
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
田地 陽一 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (90309188)
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Keywords | グルタチオン / 過酸化水素 / 糖尿病 / 歯周炎 / 歯肉線維芽細胞 / in vitro / in vivo / 糖尿病性歯周炎 |
Research Abstract |
歯周病の発症と進行に糖尿病が深く関与していることは古くから知られているが、両疾患の因果関係は未だに明確ではない。一方、活性酸素によって細胞が障害を受けることはよく知られており、糖尿病性血管合併症の発症は活性酸素の産生亢進と消去能低下によると考えられている。糖尿病によって歯周組織での活性酸素消去能が低下していれば、歯周組織障害を来し歯周病の原因となりうるが、糖尿病における歯周組織での活性酸素消去能は過去に全く調べられていない。本研究は、活性酸素として最も反応性の高いヒドロキシラジカル(・OH)の前駆物質であるH_2O_2に焦点をあて、糖尿病における歯周組織でのH_2O_2消去系(グルタチオンレドックスサイクル)の変化を詳細に検討することとした。 ヒト歯肉線維芽細胞を6穴プレート上に撤き,コンフルエントになった状態において,5.5mMグルコース,11mMグルコース,27.5mMグルコース、浸透圧対照として5.5mMグルコース+22mMマンニトール条件下にて、7日間培養した。生存率を測定したところ、グルコース濃度依存的に有意な生存率の低下が認められた。また、5.5mMグルコース+22mMマンニトールの群でも有意な生存率低下が認められたことから、この生存率の低下は、グルコース特異的ではなく浸透圧依存性であることが推察された。この結果から、ヒト歯肉線維芽細胞は、糖尿病における高血糖などの高浸透圧状態に対して、極めて弱い細胞であることが示唆された。また、この7日間培養時点でグルタチオンレドックスサイクルの主要な基質である細胞内グルタチオンを測定したが、有意な変化は認められなかった。今後、同様の検討を実験動物を用いてin vivoで行い、高血糖と組織内グルタチオン濃度の関係を明らかにする予定である。
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