1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771177
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中沖 靖子 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50302881)
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Keywords | 脱灰象牙質 / 接着界面 / プライマー / レーザー顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では、象牙質へのレジンの接着過程において、脱灰象牙質そのものがどのような物理的挙動を示すかをレーザー顕微鏡にて観察し、またこの脱灰象牙質にプライマーやボンディング材がどの程度浸透するかを、粘弾性を指標として観察すべく原子間力顕微鏡を用いてプローブするための条件を検討した。 脱灰象牙質の一連の形態変化を、接着操作、特にエッチング及びプライミングの際の各ステップごとにレーザー顕微鏡を用いて観察し、脱灰剤の種類により象牙質コラーゲンの挙動に違いが現れるかどうかを比較したところ、リン酸水溶液ではエッチングの後の強圧エアブローにより大きな収縮量を示したが、10%クエン酸-3%酸化第二鉄水溶液を用いた場合、小さな収縮に留まった。これらに2-Hydroxyethy1 methacrylate(HEMA)の水溶液を作用させたところ、リン酸により脱灰、乾燥された象牙質の収縮量は明らかに減少したが乾燥前のレベルまでにはもどらなかった。10%クエン酸-3%酸化第二鉄水溶液による脱灰象牙質は、乾燥後のHEMA水溶液塗布に対して顕著な変化を示さなかった。これらより、脱灰剤の種類や乾燥の方法によって脱灰象牙質の挙動が大きく異なることが明らかとなった。 粘弾性プローブ用原子間力顕微鏡(VE-AFM)による脱灰象牙質の粘弾性の測定に関しては、象牙質とレジンの複合した試料に適した測定条件の設定、すなわち測定の際に試料表面に加えられる振動の振幅及び頻度の設定を試みた。
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