1999 Fiscal Year Annual Research Report
修復象牙質形成におけるアポトーシスおよびアポトーシス抑制因子Bcl-2の役割-コンポジットレジン修復後に生じる歯髄反応・歯髄死への関与-
Project/Area Number |
11771188
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
北村 知昭 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (50265005)
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Keywords | アポトーシス / 象牙芽細胞 / 創傷治癒 / 修復象牙質形成 / Bcl-2 / caspase-3 / c-jun / jun-B |
Research Abstract |
今日までに私達は、歯髄の創傷治癒における修復象牙質形成において細胞分化・機能発現に重要なc-jun・jun-Bが象牙芽細胞や象牙芽細胞様細胞の分化・機能発現に関与することを明らかにしてきた(1997、J.Dent.Res.、76、822-8301999、;J.Dent.Res.、78、673-680)。今回の研究では歯髄の創傷治癒における細胞死制御機構を明らかにするため、9週齢ラット第1臼歯に窩洞形成を行い、TUNEL法によりDNA断片化された歯髄細胞が出現するか否かを検討した。未処置歯髄ではTUNEL陽性細胞は存在しないが、窩洞形成1時間後において窩洞直下の象牙芽細胞にTUNEL陽性反応が認められた。6時間経過するとTUNEL陽性象牙芽細胞は消失するが、1日後にTUNEL陽性細胞が象牙芽細胞下領域に一過性に再出現した。窩洞形成から1時間後と1日後の窩洞直下の歯髄組織を透過電顕にて観察するとクロマチン凝縮などを示すアポトーシス細胞とそれを貧食している細胞が認められた。さらに免疫組織法によりアポトーシス関連蛋白質であるBcl-2、Caspase-3の局在を検討したところ、窩洞形成6時間から1日後にかけて象牙芽細胞層に両蛋白質が検出された。以上の結果から、1.窩洞形成により象牙芽細胞には2段階でアポトーシスが誘導されること、また、2.窩洞形成後の歯髄の創傷治癒において、障害を受けた細胞のアポトーシスによる処理機構が修復象牙質形成前に働くことが明らかにされた(1999、日歯保存誌、春季特別号、20)。現在、これらの結果・考察について投稿する準備をしているところである。
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Research Products
(1 results)