1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771189
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
千葉 由佳里 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (80254788)
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Keywords | 内部吸収 / 破歯細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
【研究目的】 外傷による内部吸収の再現は困難である。そこで,循環障害を起こした際の歯髄変化を研究するモデルとして根基部歯髄先端を切除したラットの切歯を再植し,このモデルの組織学的変化と内部吸収の組織学的変化を比較する。この実験系を用いて一般的な組織学的変化を観察すると伴に、破歯細胞の発生動態および吸収窩の形成や神経線維の再生について観察し,外傷による内部吸収のメカニズムを明らかにする。 【材料と方法】 生後8週齢のWistar系雄性ラット30匹を用いた。全身麻酔下で被験歯である上顎右側切歯を脱臼,抜歯し,根基底部の歯胚相当部の軟組織を切除後,直ちに元の歯槽窩に再植を行った。観察期間を14,28,60日とし,観察期間終了後,4%パラホルムアルデヒド溶液にて灌流固定後,試料を切り出し,さらに上溶液にて後固定を行った。その後EDTA溶液にて1ヶ月間の脱灰を行い,通法に従いパラフィン包埋した。包埋した試料は5μmの矢状断連続切片とした。試料はヘマトキシリン・エオジン染色を行った。 【結果】 この実験系での組織学的変化は内部吸収の組織学的変化と類似していると思われた。このことから,このモデルは内部吸収発症のモデルとして用いることができることが確認された。 今後は,TRAPを用いた酵素組織学的染色,ED1,ED2の免疫組織学的染色を行い破歯細胞,マクロファージの発生動態を観察する予定である。 また,PGP-9.5を用いた免疫組織学的染色により切断された神経線維の活性の変化と再生を観察する予定である。
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