1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11771194
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木村 功 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (60307874)
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Keywords | フリーラジカル / SOD / ESR-spin trapping / radical-EIA |
Research Abstract |
歯髄は一度炎症を起こし進行すると、創傷治癒機能が劣るために保存することが困難であり抜髄処置を行うことがしばしば多い。歯髄炎に対する生体の防御機構を検索することはいまだに明らかにされていない歯髄の炎症機構における反応メカニズムの解明に必要でありまた、歯髄保存療法を行う上でも重要な観点であることは言うまでもない。そこで今年度は従来から老化、炎症の進展に深く関与しているとされているフリーラジカル、特にスーパーオキサイドを歯髄培養細胞にアタックさせ細胞内SOD活性およびCu、Zn-SOD、Mn-SODの蛋白量を検討した。今回行ったSOD活性測定法は従来から使われているNBT法とESRスピントラッピング法を応用し、ELLISA Kitとの併用でSOD蛋白量を測定(radicalEIA法)した。まずESRスピントラッピング法においてヒポキサンチーキサンチンオキシダーゼ反応系から発生するスーパーオキサイドに濃度依存的にSODを作用させ、得られたシグモイド曲線をコントロールとした。培養細胞のスーパーオキサイドに対する消去能を先のシグモイド曲線から算定すると1.69unit/ml(比活性値)であった。次に培養細胞内SODの動態を検討する目的で一定時間スーパーオキサイドを作用させた際の24時間以内における培養細胞内SODの変化量を検討した結果、スーパーオキサイドを作用させてから18時間後にピークを示した。加えて同様の実験をNBT法とradicalEIA法で行った結果radicalEIA法の値がNBT法の値と比較して低い数値を示した。このことはNBT法においては比色計を用いて行うために誤差を生じやすいことが考えられる。これらの結果をもとに現在各種細胞内SODの動態と炎症性サイトカインとの関連について検討中である。
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