2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における有床義歯(顎補綴)装着時の口腔機能リハビリテーション治療の検討
Project/Area Number |
11771218
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 久永 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80273697)
|
Keywords | 発音 / 嚥下 / 頭位 / 舌口蓋接触圧 / リハビリテーション / 舌 / 口腔機能 / 高齢者 |
Research Abstract |
有床義歯装着時の咀嚼・嚥下,発音機能の調節機構にもたらされる姿勢の影響について検討するために,被験者の頭位を変化させた際の発音時の舌と口蓋の接触圧について検討を行った. 実験では,舌口蓋接触圧測定装置を有床義歯(顎補綴)に埋入付加し,実験用義歯を作製し,ポリグラフ装置に角度トランスデューサ,角度アンプを追加付加し,頭位ならびに体位の角度変化を同時記録できるように構成した.この実験装置を用いて,頭位・体位の角度,音声信号ならびに舌口蓋接触圧を同時測定した.今回の研究では,健常者を対象に実験用義歯装着時に被験者の頭位・体位を変化させた際に発音運動させ,各条件下における頭位・体位の角度,音声ならびに舌口蓋接触圧を同時記録した.また既に保有する解析用ソフトを分析用コンピュータに移植して分析用システムを構成し,頭位・体位の角度ならびに舌口蓋接触圧を分析システムに入力し,舌口蓋接触圧の変化と頭位・体位の角度の変化との関係を分析した.その結果,頭位を変化させると,最大舌力は増加する傾向を示し,最大応力発生位置は後方に認められる傾向を示した. 以上のことから,高齢者における有床義歯(顎補綴)装着時のリハビリテーション治療時に頭位・体位を一定に保持し,言語ならびに摂食嚥下訓練をすることの重要性が明らかとなった.また以上のような方法を用いて,有床義歯(顎補綴)を装着した高齢者のリハビリテーション治療を施行することによって,約1年間の治療において良好な成績が収められた.今後,これらの症例に対する長期観察が必要であると考えられる.
|
Research Products
(1 results)