1999 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギーにおけるストレス蛋白質の作用機序解明とその利用
Project/Area Number |
11771228
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
南 二郎 長崎大学, 歯学部, 助手 (80304955)
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Keywords | 金属アレルギー / ストレス蛋白質 / ハプテン |
Research Abstract |
培養細胞として正常ヒト表皮細胞を選択した。金属塩を培養液に投与するという条件で培養できる細胞を目的とし,過去の文献で使用された細胞を検索を試みた。使用された培養細胞はすべて株化された細胞ですべて扁平上皮癌由来の細胞であるため,目的とする正常ヒト表皮細胞は得られなかった。正常ヒト表皮細胞の株化を試みようとしたが検体となるサンプルが得られず,細胞の分離培養はできなかった。樹立された正常ヒト表皮細胞(正常ヒト成人乳房表皮角化細胞)を購入し利用した。 金属塩の細胞毒性による影響を検討し,細胞培養が可能な最適濃度を検討した。金属塩として金属アレルギーの主要な感作源として知られている塩化水銀(HgCl_2),塩化ニッケル(NiCl_2・6H_2SO_4)を用いた。これらの金属塩を培養液で溶解し,この培養液を同条件で培養したヒト表皮細胞培養液に加え,金属塩の培養液濃度が200,100,50,25,12.5,6.25μMになるように設定して培養し,金属塩を投与後7-2時間で培養細胞を回収した。この行程をそれぞれの金属塩ごとに6回行った。塩化水銀においては200,100μMで培養できなかったため回収できず,50μM以下では回収可能であったが25μMでの回収率が高かった。塩化ニッケルにおいてはすべてにおいて回収可能であったが100μMでの回収率が高かった。 現在,決定した濃度にて大量に培養を試みている。次年度は回収された培養細胞の全蛋白質を二次元電気泳動にて展開しそれぞれの金属塩の投与によって発現増加がみられる蛋白質の検討から行う予定である。
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