1999 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用金属アレルギー用パッチテスト試薬の検討 -特にチタン試薬の作製について-
Project/Area Number |
11771231
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
寺野 元博 長崎大学, 歯学部, 助手 (90264259)
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Keywords | 金属アレルギー / パッチテスト / チタン |
Research Abstract |
チタン化合物として選択したのは、酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型、アモルファス)、硫酸第1チタン、硫酸第2チタン、硫化チタン、四塩化チタンであるが、このうち、四塩化チタンは大気中で白煙を生じ、希釈などの操作が難しく、また、硫化チタンは不溶性で、混和してもすぐに沈澱するため、一定濃度が得られないため、パッチテストの試薬としては、不適当と考えた、酸化チタンはそれぞれ、平均粒径がアナターゼとルチルが5μm以下、アモルファスが0.05μm以下で、不溶性ではあるが、超純水と混和後、一定時間均一な溶液が得られたので、試薬として妥当と考えた。硫酸第1、第2チタンは超純水混和後24時間以内にそれぞれ溶解し、それ以降は、徐々に溶液内で酸化チタンが生成され、白色の沈澱が生じるが、チタンイオンが得られるため、パッチテスト試薬として妥当と考えた。基剤としては、ワセリン、オリーブオイル、エタノール等を考えたが、基剤による擬陽性反応を排除するために超純水がもっとも適当と考えた。酸化チタンはそれぞれ、不溶性であるため溶液のpHに変化は見られないと考え、皮膚に対する刺激性もほとんど無視できるものと思われるが、硫酸第1、第2チタンは溶解すると強酸性を示し、酸による皮膚への刺激性を考慮する必要がある。しかし、チタンイオンを得るためには一定以上の酸濃度が必要である。そのため、動物実験による経皮的吸収と至適濃度の決定が必要であると思われるため、次年度以降の研究課題としたい。
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