2000 Fiscal Year Annual Research Report
キャスタブルセラミックスクラウンの強化法に関する研究
Project/Area Number |
11771256
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
岡田 一三 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (20269038)
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Keywords | キャスタブルセラミックス / 強化 / 白金箔 / 鋳造 / ボンディング・エージェント |
Research Abstract |
キャスタブルセラミックス(OCC-オリンパス)はロストワックス法,結晶化熱処理という比較的簡単な方法で適合の良いセラミッククラウンを製作できる利点を持つ.しかし脆性のため耐久性の点で問題点を抱えているのが現状である.本研究はOCCクラウンの強化に対し,白金箔と結合させた強化法を考案しその検討を行った. 1.白金箔法の製作方法.金箔(30μm)を挟み込んだ白金箔(25μm)をブンゼンバーナー上で金箔を熔かして白金どうしを接合した複合箔上にボンディングエージェントを焼付けた.ボンディングエージェントとOCCの結合はEPMAからAl,Si,K^<++>の相互拡散による化学的結合と機械的結合が認められた. 2.3点曲げ試験とその結果.白金箔に鋳接,結晶化熱処理をした試験片で箔が引張り側にして曲げた時,OCC単体の試験片と比較して弾性エネルギーの有意差はなく同程度であった.これに対しOCC側が引張りにした時,弾性エネルギーは約2倍の向上を示した. 3.臨床モデルでの破壊試験とその結果.Co-Cr合金で上顎第二小臼歯の支台歯模型と対合歯模型を作製し,複合箔に鋳接したセラミッククラウンをグラスアイオノマーセメントで合着した.また通常のOCCクラウン6本をランダムに2群に分け接着性レジンセメントとグラスアイオノマーセメントで合着して破壊試験を行った.その結果,白金箔を用いたものとそのまま通法の箔なしのOCCクラウンを接着性レジンセメントで合着したものとでは有意差はなかった.これに対してグラスアイオノマーセメント合着のものとは5%危険率で有意差を認めた.一方コントロール群のレジンセメントとグラスアイオノマーセメントで合着したものとの間には7%の危険率で有意差を認めた. これは最理想的条件下でされた接着による強化と同程度の強化が白金箔でなされたと言え,白金箔への鋳接法はOCCクラウンを構造的に強化する可能性があると言える.
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