1999 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍免疫におけるマクロファージの役割とリポソーム製剤の応用
Project/Area Number |
11771258
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新田 康隆 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80250794)
|
Keywords | マクロファージ / リポソーム製剤 / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
1)マウスへのリポソーム製剤の投与 アジュバントを予め腹腔内に投与し、対照群としてPBSを封入したリポソーム投与群は腹腔内において、活性化マクロファージのマーカーであるMAC-2陽性細胞が多数検出されるのに対し、骨吸収抑制剤Dichloromethylene bisphosphonate(Cl_2MBP)を封入したリポソーム製剤投与群では、MAC-2陽性細胞が消失していた。マウス可移植性腫瘍細胞であり、GM-CSF産生する肺転移性腫瘍細胞X5563を腹構内摂取し、Cl_2MBPリポソームを投与したところ、生存日数が対照群の2倍に延長した。一方、GM-CSF非産生性、非転移性腫瘍細胞FM3A/Rを用いて同様の実験を行ったが、生存日数に違いは見られなかった。この結果は、腫瘍細胞が産生するGM-CSFによって増殖、活性化したマクロファージを消失した結果によるものと考えられる。現在、リポソームが腫瘍細胞の増殖の関与するか検討中である。 2)担癌マウスへのリポソーム製剤の気管内投与 尾静脈内摂取により著名な肺転移形成能を持つ腫瘍細胞Colon26を接種し、Cl_2MBPリポソームを気管内に投与したところ、転移形成にやや抑制傾向が見られたが有意差は認められなかった。投与方法はエーテル麻酔下で鼻孔から吸入させるもので、投与量が定量出来ず、現在投与方法を検討中である。 3)予備実験で、皮下摂取したマウスにマイトマイシンCで処理し、増殖能を無くした同じ腫瘍細胞を同時に皮下摂取したところ、皮下原発巣の増大が遅延した。現在、腫瘍細胞の細胞膜タンパクを抽出、封入したリポソームを用いた実験を準備中である。
|