1999 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対する微粉末磁性体を用いた磁場誘導組織内温熱療法の局所免疫に関する研究
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11771269
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
光藤 健司 名古屋大学, 医学部, 助手 (70303641)
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Keywords | 口腔癌 / 温熱療法 / セラミック微粉末磁性体 / 抗腫瘍効果 / 病理組織 |
Research Abstract |
この研究は手術、放射線療法、化学療法、免疫療法につぐ癌治療法として温熱療法を口腔癌に対して臨床応用することを目的としている。今回、セラミック微粉末磁性体を腫瘍組織内に局所投与することによって、腫瘍組織のみを加熱する選択的温熱療法を施行し、温熱療法の抗腫瘍効果および温熱刺激による免疫能の変化について検索した。 実験動物(マウス、兎)に移植舌腫瘍(SCC7、VX-7)を作成し、舌腫瘍にセラミック微粉末磁性体を局所投与し、腫瘍内への分布および各臓器(脾臓、腎臓、肝臓、肺)への取り込みを観察した。舌腫瘍に対し温熱療法を施行し、腫瘍の温度分布について測定し、さらに温熱療法の抗腫瘍効果については病理組織学的変化およびTumor growth curveについて検討した。 マウス、兎の移植舌腫瘍に対しセラミック微粉末磁性体を用いて加温したところ、腫瘍内は温熱療法に必要とされる43度以上の加熱が得られた。選択的温熱療法施行後、1週後より腫瘍縮小が認められ、2週から3週後には腫瘍の完全消失が認められた。 セラミック微粉末磁性体を用いた温熱療法は移植舌腫瘍に対して十分な抗腫瘍効果が認められた。現在、舌粘膜上皮の免疫担当細胞の動態さらにセラミック微粉末磁性体の生体への影響について検索中である。
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