1999 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨欠損部へのprefabricated flapを用いた自家骨移植の実験的研究-生体自己再生能の自家移植への試み
Project/Area Number |
11771273
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
植野 高章 岡山大学, 歯学部, 助手 (60252996)
|
Keywords | 骨膜移植 / 組織再生 / 血管新生 / 軟骨内骨化 / Prefabricated Graft |
Research Abstract |
顎骨欠損を生じる口腔疾患の臨床および骨再生能力を応用した研究の中で、日本家兎の脛骨から採取した骨膜を筋肉内に自家移植し、形成される骨組織を顎骨欠損修復のための移植材料としてのPrefabricated graftの可能性に関する基礎的研究を行った。平成11年度は筋肉内での骨形成過程を組織学的に観察し、移植骨膜からの形成骨は、従来までに考えられていた膜性骨化様式による骨形成ではなく軟骨内骨化様式により骨形成が開始され、移植後3週日には長管骨にみられる軟骨柱から骨梁構造が形成されるという、いまだ報告のない独特の骨形成様相を明らかにした(第41回歯科基礎医学会総会)。そして骨梁構造の三次元的画像解析を行い、骨形成過程の骨梁構造の数値解析を行い(日本口腔外科学雑誌44(11))骨梁は経時的に移植後6〜7週目に全体の骨量は最大となり、その後骨量を減少するにつれ骨梁幅は増加し層状構造をとることが判明した。また、これまで骨膜移植による骨形成は骨膜最内層の骨形成層から起こると考えられてきたが、電子顕微鏡を用いた従来にない詳細な組織学的観察を行い移植骨膜の骨形成は骨膜内骨形成層でなくその外側の未分化間葉系細胞が分化していくことが推察された。 移植骨膜からの形成骨を移植材料として考えた場合は、血行の維持が良好な生着には不可欠である。形成される骨組織は移植後3週目から血管侵入による血行再開がみられることから、この時期以後の周囲筋肉を含めた骨筋肉弁によるprefabricated bone graftを人工的に形成した顎骨欠損部に移植するのが妥当と考えられる。現在移植後に完全に骨形成が確認された移植後の形成骨を二次的に移植を行い組織学的な観察を行い、二次的な移植に最適な時期を考察する。
|
-
[Publications] Takaaki Ueno, Toshio Sugahara: "Experimental study of bone formation from autogenous periosteal graft with IGF"Journal of Cranio-Maxillofac. Surg.. 27. 308-313 (1999)
-
[Publications] Shin Takagi, Takaaki Ueno: "Prognostic Factor of 73 Replanted Teeth -A clinical investigation over a period of 27 yrs"J. J. Oral Dig / Oral Med.. 12(2). 613-619 (1999)
-
[Publications] Takaoka Ueno, Nobuhisa Ishida: "An usual residual radicular cyst with calcifying tissue"J. J. Oral Diag / Oral Med.. 12(2). 684-686 (1999)
-
[Publications] 植野高章、菅原利夫: "自家移植骨膜の骨形成過程の経時的観察"歯科基礎医学会雑誌. 41(5). 431 (1999)
-
[Publications] 植野高章、石田展久: "下顎頭に生じた中心性骨腫の一例"日本口腔口診断学会雑誌. 12(1). 158-161 (1999)
-
[Publications] 高木 慎、植野高章: "多房性X線像を示した上顎歯原性偏平上皮腫の一例"日本口腔外科学会雑誌. 14(12). 811-813 (1999)